3月頃から棉作りの準備をします。
畑を肥やす肥料は、一切化学肥料は
使用せず、腐葉土や自家製肥料、
草木を燃やした灰などを畑に撒き、
定期的に何度も耕運機で耕し土の中に
空気を入れます。
毎年、毎年、せっせと棉作りに励んでいます。
なぜ、肥料作りからに拘るかというと、
オーガニックコットンに拘っているからです。
化学肥料を使ったり、虫よけ殺虫剤を使用
したりすると、確かに沢山の綿が収穫できますが、
無農薬で育てた綿はとても柔らかく
手触りがいいのです。
柔らかい綿の糸は、優しい布になります。
大量生産が出来ませんが、私が手仕事に
拘る理由です。
肌の弱い方やオーガニックに拘っている方、
自分だけの布を望まれる方に、
この綿で糸を紡ぎ、自然の色素を色付け、
手織り布を楽しんで頂きたいと考えています。
昨年、8月までは順調にすくすくと育って
いましたが、8月の豪雨で棉の
成長は止まりました。
実りも少なく、収穫も期待出来ずがっかりです。
しかし、昨年から棉作りを志願して下さった方が
あり、ご自宅で作って頂き、
私も定期的にお手伝いに行ってました。
暖かい地域だった為か
なんと見事に沢山実りました。
棉作りを通じ新たな人との繋がりができ、
共に収穫に喜び合えた事も
また収穫のひとつだったかもしれません。
自然の中に身を置き、流れに身を任せ
時間と共に環境を作る。
余計な手をかけず、見守る事も大切だと
棉を育てる度に教えられます。
11月中に弾けていない棉の実を収穫します。
後は、暖かい部屋で弾けさせます。
綿に付いている枯れ葉やごみを丁寧に 取ります。 |
棉作りの周辺で私は些細な事にも拘り
を持ちます。
なぜなら折角織り上がった布の美しさが
折角の「自然の恵み」に背いているのじゃないかと
悔いを抱くからです。
私は些細な事に拘らなければなりません。
これからも、毎年棉を作り、自然の有難さを
感じながら、丹波布の織りを心がけたいと
思っています。