2014/03/01

丹波布の魅力

 
 
 
とんとん ぱんぱん
 
とんとん ぱんぱん
 
 
今日も、丹波布を織っています。
   
 
家の周りに塀があるからか、とても静か・・。
 
集中していると自分がどこかに
 
飛んでいってしまう。
 
 
ふっと、我に返り 外を見ると


 
梅の花の蕾が膨らんできてる。
 
「春だなぁ~」
 
春の空気を感じる。
 
 
 
さざんかも冬の最後かと精一杯咲いてる。
 
春の匂い・春の光 
 
とても気分転換になる。

 
 
また、織り始めると  突然  
 
 
パァン  パタパタ
 
ワァ! 小鳥が窓にぶつかってきた! 
 
大小の小鳥が、遊びにやってくる。

今、機織りをしながら自然を感じている。
 
 
 
花木や小鳥と話が出来たらいいのになぁ~・・。
  

ワァ!人影が・・・。
 

ニコニコと隣の93歳になるおじいさんが立っている(笑)
 
「外仕事していたら、懐かしい音がしてなぁ~、
 
織っとんなんのか~、見せてぇ~なぁ」
 



「どうぞどうぞ」
 
窓を開けると、懐かしそうに
 
「この音、 トントン パンパン ええ音やな~」
 
「昔は、ここら辺大勢の人が織っとんなったんやで」



「えっ、糸も自分で紡いでるん?」

「こりゃ~、根気がいる仕事やなぁ~」

「ええもん、見せてもらって嬉しいなぁ~」

 
 
 温かい人、私は心の中で呟く。

この日は、一足早い春日和ののどかさを味わった

一日だった。
 

以前からよく思う事がある。

この辺りには、糸紡ぎや機織りをされていた人が

沢山あった。

が、残念な事にみんな他界され、最早その作業を

見る事も聞く事も出来ない。

当時(江戸の末期から明治初期)の丹波布

(当時佐治木綿)は分業で作られ産業として成り立ち、

色んな方の交流があった。

当時の人達は、とても自然を大切にし、自然を敬って

いたのではないか。

そして人の心も純粋で暖かかった・・・。

そんな人達が力を合わせて作り上げた丹波布

(佐治木綿)は、だからこそ民藝の主唱者柳宗悦先生

の目に止まったのでは無かったろうか。

そしてその人々はお互いの繋がりをとても

大切になさっていた・・・。

そんな当時の様子を作業をしながら感じる。