2015/09/04

丹の布・・・馴染んでいく丹波布

 
 
 
 
今年の4月だったか、ご注文頂いていた
 
小銭入れを神戸のSサンに送った。
 
過日Sさん宅でのホームコンサートにお邪魔して、
 
毎日使っていると仰る小銭入れを拝見。
 
 
 
旅立った我が子に久しぶりに出会ったような気分。
 
そして、子供だ子供だと思っていた我が子が、
 
家を出て思いの外成長しているのに驚くのと同じような驚き。
 
つまり完成した段階で私の手を離れていった小銭入れが、
 
毎日使って頂いているお陰で、思いの外しなやかで
 
使いやすい小銭入れに成長していました。


 
紡績糸は、糸になった状態が頂点で、あとは徐々に劣化するものです。
 
しかし手紡ぎの糸は、糸になった状態が必ずしも頂点では無いので、
 
使われているうちにドンドン使い手に馴染んで
 
成長していくという面があります。
 
その現実を、自分の手がけた小品で確認できる
 
というのも「物づくり」の喜びかも知れません。
 
今は承っている注文の品を作る作業に並行して、
 
11月の展示会(11月14日~16日 於柏原・西楽寺)に向けて、
 
主催者の柏原・西楽寺ご住職の意向に添えるような
 
布作成(糸紡ぎ・染め・織り)に邁進中です。