2013/09/25

おもてなし

 
 
 
9月20日「じばさんele」が
 
神戸国際会館SOL店B2Fに
 
open!
 
 
奥には、ワークショップコーナーがあり
 
この日は、「丹波焼(立杭焼)」の

ワークショップをされていました。
 
同じ日に、私達のtannonunoも
 
 
糸紡ぎの実演に伺っていました。

店内にもtannonunoの作品も

陳列して頂いています。
 

通路側には、「丹波焼(立杭焼)」の
 
丹波の風景とともに市野伝一窯の作品
 
がお客様をお迎えされています。
 



「丹波焼(立杭焼)」は、日本六古窯の一つで、

国の伝統的工芸品の指定を受け、今も若い

世代に受け継がれています。

こちらの「じばさんele」店では、

これからの時代を担う若い方々の作品を

展示販売されています。

新しい息吹ですね。

その若い方々の力になられている方が

市野伝一窯の息子さんです。

また民芸にも詳しく、兵庫県の民芸に尽力されて

いるのが「じばさんele」の社長 前川拓史氏。

神戸国際会館sol「じばさんele」店には

前川氏の思いが伝わって来ます。

社長始めスタッフの方々の対応や気配りのある

おもてなしが素晴らしいです。

 
丹波布も歴史は古く、国の無形文化財や
 
県の伝統的工芸品に指定
 
されている布です。
 
私達tannonunoが作る丹波布も
 
丹波焼(立杭焼)とコラボして頂いて
 
おります。
 
 
 
丹波布よりも古い歴史を持つ丹波焼(立杭焼)
 
とのコラボ、ドキドキします。
 
素敵な器で、落ち着いた丹波布でお客様を
 
おもてなし出来たらいいですね。
 
 
 
 
私の家もお客様をお迎え出来るように
 
少しづつですが、手入れしています。
 
 
この家も100年以上の歴史を持つ古民家です。
 
祖父が亡くなってからは、殆ど使っていません
 
でした。
 
この家にいると時間も忘れるくらいホッと
 
してしまいます。
 
 
柱や壁の木の部分が色あせていて、
 
先日塗装して頂き、グーンと趣が出て来た
 
感じがします。
 
ここから、シャーシャーと糸紡ぎの音や
 
トントンと機を織る音が今年中には
 
聞こえてきます。
 
 
お客様が来られたらこんなおもてなしで
 
お迎え出来たらと思います。
 
お迎え出来る準備が出来ましたら、
 
その時はblogでお知らせ致します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 







 
 


2013/09/19

自然の恵みをありがとう part 2

 
紅餅
 
 
今年、紅花の里「山形県河北町」から送って
 
頂いた紅花の種を4月に蒔き
 
7月の初旬頃から花が咲き始めました。
 
 
紅花の摘む時期は、黄色から山吹色に変わり
 
朱色に色付いた頃が一番。
 
しかし、一度に朱色にならない為、
 
「ありがとう」と言いながら
 
毎日、せっせと摘んでいました。
 
 
 
 
摘んだ花びらは、水で良く洗い軽く絞って
 
袋に入れ密封して一日寝かせます。
 
その後、袋から紅花を取り出しすり鉢で
 
つぶします。
 
 
 
すりつぶした花を固く絞って銭状にして
 
1週間~10日間程風通しの良い日陰で干します。
 
 
これが紅餅です。
 
この紅餅を保存して、1月か2月頃の寒い時期
 
に染めると鮮やかな桃色に染まります。
 
 
染液を出す為に欠かせないものが
 
椿の灰汁。
 
椿の灰汁は、8月の暑い時期に椿の
 
枝を切り、燃やし灰にします。
 
 
お知り合いから椿を沢山切って頂きました。
 
ご苦労お掛けしました。
 
とっても有難き幸せです。
 
 
早速、椿が枯れない内に
 
生木を燃やします。
 
 
生木は燃えつくまでがなかなか時間がかかり
 
これもとても大変な作業です。
 
頂いた椿は全て灰にしました。
 
これで終わりではなく、
 
粗い灰を取り除く作業があります。
 
 
燃やした椿の灰を、金網で振るって
 
肌理が細かい灰だけにします。
 
 
椿の灰汁を作る時は、この白い灰が
 
いい灰汁を出してくれます。
 
この灰の灰汁を紅花の染液出しに使ったり
 
その他の染色時の媒染にしたりします。
 
 
 
今年の紅餅は、少しだけでしたので保存して
 
来年も紅花を育てようと種も保存しています。
 
 
この種は、来年用。
 
しかし、殆どの紅花の種は燃やして自然に
 
返そうと思い乾燥させていたら
 
なんと・・・
 
 
種がこぼれて、新芽が・・・
 
どうしたらいいこの状況・・・
 
家には温室のハウスもないし、このままだと
 
育たないし、畑に植えても冬に向かって行き
 
育たないし、どうしよう~と思案しましたが
 
やはり灰にして大地に返してあげる事にしました。
 
生きようとする命のエネルギーの凄さに
 
驚きです。
 
 
全て粗末には出来ない、自然の命を
 
きちっと色で表現してあげようと
 
草木染めをする度に思います。
 
 
自然の恵みをありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
 

2013/08/05

丹波布着尺・・・南高梅染め

 
~  南高梅染め  ~
 
 
 
梅は、種類が多くその中でも南高梅で染めて
 
みたいなぁ~そんな思いを抱いている中
 
南高梅情報を頂き、念願の枝を頂く事が
 
出来ました。
 
梅は、1月の採取が最もいい色が出ます。
 
乾燥して保存していました。
 
 
  ~  染色  ~
 
染まってほしい色は、オレンジ!
 
1液~4液まで染液を出して、1液は
 
濁りがあるので捨てます。
 
 
う~ん、思った通りになるかも・・・。

 
 
媒染は、椿の灰汁媒染。
 
なんと
 
 
綺麗なピンクに反応してしまいました。
 
この色も捨てがたいのですが、今回は
 
やはりオレンジに染めたい!
 
強い思いの中、こぶな草から黄色の染液を出し
 
再度、重ね染めしました。
 
 
それが、こちら
 
 
ピンクがかったオレンジに染まりました ♪
 
満足!
 
 
~  紅かなめ染め  ~
 
 
お家の垣根や道路添いによく見る
 
紅かなめです。
 
4月末頃から赤く色付いてきます。
 
一番色付いたころに採取します。
 
 
洗液は、紫がかった赤。
 
 
 
 
染めて媒染すると
 


 
綺麗なグリーンです。
 
染色は、思う色を染めるのがとても難しいです。
 
今回の染色も満足した色が染まりました ♪
 
 
 
~  丹波布の着尺  ~
 
 
 
着尺に使用する染色糸は、右上から
 
南高梅にこぶな草の重ね染め
 
くるみ染め
 
紅かなめ染め
 
この三色を使います。
 
 
 
三色の糸を、微妙な配色でデザインしました。
 
デザインから染色から織上がるまで、
 
ご依頼された方のイメージを持ち続けます。
 
このお着物を着られ時の
 
立ち姿もイメージの中に入れます。
 
 
私は、染色とデザインにかなりのエネルギー
 
を注ぎます。
 
この工程が満足できれば、後は
 
ワクワクしながら、楽しく機織りです ♪
 
織り上がった時は、感無量で
 
達成感や満足感で一杯になります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2013/07/21

丹波布。。。藍夏バック

 藍染めのちょっと豆知識





世界には、インジゴといわれる含藍植物が多く、

日本では、

藍染めの原料になる植物「藍草」は四世紀頃に

南中国から渡来してきました。

その藍草を「韓藍(からあい)=蓼藍(たであい)」

といいます。

たで科タデ属の植物で

インドシナ南部が原産です。

室町時代前には、藍染めは夏期だけの染色

で、葉を刈り取って直ぐに

藍建していたようです。

後に、「すくも」が作られ「灰汁発酵建て(正藍染)」

の技法が用いられ、現在もその技法で

染められています。


インジゴの植物は、蓼藍だけではなく

「琉球藍(沖縄)」きつねのまご科イセハナ属

「インド藍(アメリカ)」アメリカキアイ

「ウォード(ヨーロッパ)」あぶらな科タイセイ属

古くから、世界中で藍染めは盛んに

染められて来ました。

日本の「灰汁発酵建て(正藍染)」による藍染めは

深い紺色が染まり、正藍染でないと染まらない

と言われています。



その「正藍染」糸で丹波布を織りました。




服地用に半反(約6m)


こんな柄です。


バックのご依頼もあったので


緯糸のデザインを変えて


~  藍染め丹波布の夏バック ~ 


 
 
竹の持ち手で夏らしく、オーガンジーの
 
リボンで飾ってみました。
 
40代の可愛い女性が使われます。
 
藍染めは、とても落ち着いた色です。
 
古代からの草木染めは、自然で飽きない
 
優しい色が出ます。
 
 
丹波布技術者である私も、布として出来上がる
 
までの作業も、全然飽きることがなく、
 
作業過程がとても楽しいです ♪














 


2013/07/15

丹波布 神戸でお披露目

 
~  tannonunoイベント  ~
 
 
 
前回、イベントのお知らせをさせて頂いておりました、
 
 
「じばさん ele」での、丹の布(tannonuno)の
 
 
イベントが12日から開催しております。
 
 
13日~15日までは、私達の糸紡ぎの実演 ♪
 
 
「じばさん ele」さんの店内は、兵庫県の地場産業
 
で有名なヤナギコウリの籠バック・立杭焼き・播州織・淡路瓦
 
・お香・ろうそく・淡路そうめんから海外の品まで取り揃えた
 
とてもオシャレで清潔で素敵なお店です ♪
 
 
そのお店に、私達のtannonunoの商品を展示
 
させて頂いています。

 
 
 
丹波布のコースターは、
 
立杭焼き俊彦窯のマグカップが
 
お似合いで可愛いです。
 
 
 
 
 
お客様は、糸紡ぎはもちろん
 
染色材料や染色糸にも興味深々です。
 
色とりどりの小物がお客様の目に留まって
 
楽しんで頂いています ♪
 
 
 
 
これから夏祭りが各地で行われます。
 
浴衣姿も見かけるシーズンになりました ♪
 
そんな浴衣にでも、洋服にでもお似合いの
 
ミニバックも店内飾られています。
 
「じばさん ele」のブログでも紹介されていますよ。
 
ご覧ください ♪
 
 
 
神戸は、素敵な街です。
 
中華街が近くにあり、港から船の汽笛が聞こえ、
 
街行く人は若い方から熟年の方、
 
外人の方年齢層が幅広く、
 
オシャレな方が多いです。
 
 
店内にも、色んな年齢層の方に来て
 
頂いています。
 
素敵な出会いもあって、私達もイベントを
 
楽しんでいます ♪
 
28日までの期間、
 
「じばさん ele」の社長様やスタッフの
 
方々に大変お世話になります。
 
私達も、何度か足を運んで
 
色んな方々にお会いしたいと思っています。
 
是非、遊びに来てください。
 
お待ちしております ♪
 
 
 
 


2013/07/02

丹波布イベントのお知らせ

 
~   お知らせ   ~
 
 
皆様、いつもirodoriブログをご覧頂きまして
 
誠にありがとうございます。
 
丹波布を多くの方に知って頂きたく、
 
昨年から個人で活動をしながら、今年から
 
ブログもアップして、沢山の方からの
 
アクセスも増え、有難く感謝しております。
 
ありがとうございます ♪
 
 
これからも、どんどんアップしていきますので
 
お楽しみ下さい。
 
 
 
そして、
 
 
今年から新たに丹波布技術者の友と
 
丹波布工房を立ち上げました ♪
 
 
* 丹波布を世の中に広げて行きたい! *
 
* 心を友にする丹波布技術者を育てて行きたい! *
 
* 心の輪を広げて行きたい! *
 
そんな思いで立ち上げた工房
 
その名は
 
 
「 「 丹の布(tannonuno) 」 」
 
 
丹は、「真心」と言う意味があります。
 
真心の籠った布を織り続けたいと言う思いで
 
付けました。
 
 
この「丹の布(tannonuno)」がいよいよデビューすることが
 
決まりました。
 
今回、「じばさん ele」さんの社長様とご縁があり
 
お力添い頂き「じばさんele」さんで「丹の布」のイベントを
 
開催して頂く事になりました ♪
 
 
~  ご案内  ~
 
 
 
 
 夏の装い 其の1
 
開催日程  7月12日 ~ 28日
 
場所  神戸市中央区栄町通3-1-6
 
じばさんele
 
 
☆☆ どうぞ、起こし下さい ☆☆
 
☆☆  神戸でお待ちしております  ☆☆
 
 
 
 
追伸
 
 
今回から、工房に
 
縫製担当の方や刺繍担当の方を
 
メンバーに迎え、イベントに向けて小物作り
 
に盛り上がっております ♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2013/05/08

大地へ・・・循環

 
・ ・ ・  五行説に拘って  ・ ・ ・
 
 
 
まずは、ご存じない方の為に五行説の簡単な説明
 
をします。
 
 
 
自然界において五行の思想というものがあります。
 
 
自然界は、5つの要素で成り立っています。
 
木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)
 
の流れで循環して、回り相互に影響しあうという
 
原理のことです。
 
 
* 木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ
 
金は水を生じ、水は木を生ずる *
 
これを「相性(そうじょう)」と言います。
 
 
 
自然の恵みを頂いてる丹波布は、この五行説を
 
意識しなければいけないんじゃないかなぁー
 
と思い2年前から、実践しています。
 
 
丹波布は草木染めですので、染色するたびに
 
染液を出した後の草木が出ます。
 
            
 
この草木をごみで捨てないで、干し草や庭の枯れ木や
 
枯れ葉などと一緒に燃やし、灰を畑に撒いています。
 
(木は火を生じ、火は土を生じ)
 
土を肥やす事によって、畑で育ててる染色材料に
 
なる草花や樹が大きく、彩り良く育ってくれます。
 
今年も頑張って畝作りです。
 

 
鶏糞や腐葉土も撒いて、耕運機でまぜまぜ ♪
 
結構、重労働ですが意外と楽しいです ♪
  
後は、土が落ち着くのを待つだけ。
 
今年で無農薬の畑作りも2年目になります。
 
後1年過ぎれば、有機栽培の認証が受けられる
 
ので、せっせと堆肥作りもしているんですよ ♪
 
(土は金を生じ)
 
 
今年の染色用の植物の種は、
 
棉の種と藍の種と山形県河北町から
 
取り寄せた紅花の種を巻きます。
 
 
紅花の種を、4月中旬頃に種を蒔き10日程で芽が出てきて
 
今は、ここまで大きくなりました ♪
 

 

 
左の方には、棉と藍の苗を植える為、スタンバイ中!
 
 
 
 
先輩から、丹精込めて作った棉の種を頂きました。
 
今年は、愛情がこもったこの種を蒔きます。
 
 
我が家の畑には、染色用の樹も育ててます。
 
びわ・山吹・タニウツギ・くろもじ・ナナカマド等々
 
庭には、どうだんつつじ・白梅・金木犀・銀木犀
 
霧島つつじ・とねりこ・くちなし等々、まだまだ
 
育てたい樹があるのですが、家が森になって
 
しまいそうで・・・我慢です~。
 
植物の水は、井戸水を使ってます。
 
(金は水を生じ)
 
 
きっと、いい色を出してくれるでしょう~ ♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 


2013/04/27

古代の五色・・草木染め

 ☆   古代の五色  ☆ 
 
 
日本の染色技術は、いつ頃から始まったのだろうー?
 
そんな思いから、古代の染色を調べて行くうちに、
 
どっぷり嵌ってしまいました ♪
 
 
・ ・ ・   歴史の色 ・ ・ ・
 
 
さかのぼると、縄文時代に人は衣服を着だし、

その衣服は樹皮や草皮の繊維をさき、

編んで衣類としていたようです。

やがて樹皮や草皮の繊維を細くして織ることを

覚えて行ったようです。
 
色彩は、自然のままの茶系統の色で、
 
布を水に晒して白い布を得ることを知り、
 
その後、灰で白く晒す技術を取得しています。、

ここから染色の世界は開かれたようです。
 
原始の染色は  ・ ・ 白 ・ ・

また、茶系統の布を泥水に浸したところ

たまたま泥水が鉄分を含んでいたので

 ・ ・ 黒 ・ ・に染まった・・泥染の元祖。

(泥染の発祥の地は、奄美大島ですが、

ここには「天の川伝説」があるようですね。)


弥生時代に入り、蚕や桑も他国から渡来し

絹糸の染色や織りが盛んになり、

飛鳥時代に、聖徳太子によって冠位十二階を制定。

冠位十二階の有職の色を、五色で表しました。


< 古代の五色 >

 青(仁)・赤(礼)・黄(信)・白(義)・黒(智)

上記の五色に

最高位の 紫(徳) が位置します




・ ・ 「紫草(むらさき)」 ・ ・

古代服色最高位の色
 


木綿糸のむらさき染め

絹糸のむらさき染めは、もっと濃く染まり光沢が

あります。



・ ・ 「青(緑)」 ・ ・

また、紀元前に南方系の民族が日本に持って来た

種の一つ「臭木」


木綿糸の臭木染め

「古事記」や「万葉集」にも詠われてる「青(緑)」です。

むらさき染めと同じく、絹糸の臭木染めは鮮やかな

青磁色になります。



・ ・ 「赤」 ・ ・

現在も山裾や河川敷などに野生している茜草です。

「茜草」も紀元前に日本に渡来してきた種を

蒔き栽培していたようですね。

茜草の根を染めるとオレンジ系の赤が染まります。

この茜草の色も、古代の五色の「赤」です。

私も今後、挑戦してたい色ですね。



・ ・ 「黄」 ・ ・

 
代表的な黄染は、「檗(きはだ)」です。

「檗」は、落葉高木で幹の内皮は黄色をしています。

縄文時代に北海道から中部の山間地で

染めていたようです。
 

他にも黄染は、「刈安」・「支子(くちなし)」・「桑」等

で染めていたようですね。

刈安は、別名こぶな草。


木綿糸のこぶな草の生葉染め

生葉染めは、レモン色に染まります。

毎年、「こぶな草」を育てています。



・ ・ 白 ・ ・

川や沼などに浸して漂白していた。



・ ・ 黒 ・ ・

タンニンが多く含まれている茶系統の

「榛(はんのき)」・ 「樫(かし)」・ 「椎(しい)」

・「五倍子(ごばいし)」等による泥染めですね。

現在では、一般的に濃い茶系統に染めて

鉄媒染で黒に染めます。


「風土記」・「日本書記」・「延喜式」等に

「五色」の文字が多く記されていて、

紀元前から五色などの染色があったことが

わかっています。

古代の五色は、絹糸の草木染めです。

木綿糸よりも絹糸の方が、色合いも鮮やかで

光沢があります。


絹糸の歴史は、紀元前から日本で繭から糸にし、

織り技術もあったようです。


木綿の歴史は、紀元後の799年に棉の種が

日本に入って来て栽培が始まっています。


木綿糸染色は、絹糸に比べイオン結合が弱い為、

薄い色に染まり直ぐに褪せてしまう ことから、

染色時に媒染液に浸し色止めをして、

さらに色吸着出来ていない個所を

染液に戻す事によって色吸着させます。

絹糸よりも木綿糸の染色は、手間がかかります。




「古代の五式」を調べていると、

歴史にロマンがありますね ♪


染色知識がまた増えて、染色がますます

楽しくなりそうです ♪



・ ・ 感謝 ・ ・


木綿糸の草木染めは、絹糸の草木染めに比べたら

鮮やかな色には染まりませんが、本来植物が

持ってる「優しさ」「暖かさ」「柔らかさ」のある

色合いに染まります。


自然の恵みを壊さないように

織り上げたのが「丹波布」だと

私は思っています。


丹波布に携われる事に、感謝しています☆














 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2013/04/01

古代の高貴な色ムラサキ

 
・ ・ ・  紫草(ムラサキ)  ・ ・ ・
 
 
 
2年前から自宅で紫草を育てています。
 
この紫草は、万葉集にも名が出てくる
 
程、歴史は古く奈良時代から江戸時代
 
末期まで栽培が行われてきました。
 
紫草の根(紫根)を染料にします。
 
万葉の昔より紫草は貴重な植物で、
 
天皇家の御料地として、番人を置いて
 
立ち入りを制限して保護していたぐらい
 
貴重な染料として扱われたようです。
 
明治時代以降は合成染料の登場に
 
より商業的価値を失い、紫草自体が
 
絶滅危惧種になってしまった植物
 
です。
 
紫草の栽培は、とても難しく環境を
 
整えてあげないと、病気になったり
 
虫の餌食になります。
 
しかし、我が家では今年もちゃんと
 
芽が出てくれました。
 
 
 
 
1本の根元から3芽出てきてます ♪
 
左側に、種が落ちて芽が出てきてます ♪
 
小さな芽も、ちゃんと育ててあげるからね ♪
 
2年以上経たないと染料にならないんですよ。
 
 
 
 
 
こちらは、昨年枝を挿し木にしてました。
 
見事に沢山芽が出てくれました。
 
紫草には、日本ムラサキと西洋ムラサキが
 
あります。
 
見分け方は、葉っぱの大きさと白い花の形
 
が違うところです。
 
今年もプランターを沢山購入して、移植して
 
あげないと・・・・今年も、例年以上に
 
忙しくなりそうです。
 
 
 
 
こちらが、紫根で染めた綿糸です。
 
紫根も藍と同じで、染色時には温度管理が大事
 
です。
 
椿の灰汁で先媒染して染めます。
 
染め色は、薄くも濃くも染めることが出来ます。
 
こちらは、薄目に染めました。
 
古代は、紫は高貴な美しい色とされ、紫根染め
 
が盛んに染められていました。
 
 
☆ 代表的な万葉集をご紹介 ☆
 
 
「茜さす  紫野行き  票野行き  
 
野守は見ずや  袖を振る」
 
・ ・  額田王 ・ ・
 
 
額田王は、斉明天皇(天智天皇と天武天皇の
 
母)に仕えた高貴な女官。天智天皇の妻。
 
昔の恋人の大海人皇子(天武天皇)に詠んだ
 
歌だそうです。

恋文ですよ。
 
 
ハイカラですね~☆☆☆